建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

火を使用する室の換気。建築基準法第28条第3項。

 居室の換気の問題でややこしいのは火を使用する室に設けなければならない換気設備等の問題です。私も今だに条文をしっかり読みながらでないと問題が解けません。めっちゃ読んでも間違えてたりしますので、自分の頭をスッキリさせるためにも見ていきましょう。

建築基準法第28条第3項の内容

 別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない

上記が法第28条第3項の内容です。ややこしいのがその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)の部分です。政令で定める室はこの条文は適用されませんよという事です。この政令は令第20条の3に掲げています。

 

建築基準法施行令第20条の3第1項とは?

 法第28条第3項の規定により政令で定める室は、次に掲げるものとする。
一 火を使用する設備又は器具で直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を直接屋外に排出する構造を有するものその他室内の空気を汚染するおそれがないもの(以下この項及び次項において「密閉式燃焼器具等」という。)以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室
二 床面積の合計が100平方メートル以内の住宅又は住戸に設けられた調理室(発熱量の合計(密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るものを除く。次号において同じ。)が12キロワット以下の火を使用する設備又は器具を設けたものに限る。)で、当該調理室の床面積の10分の1(0.8平方メートル未満のときは、0.8平方メートルとする。)以上の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けたもの
三 発熱量の合計が6キロワット以下の火を使用する設備又は器具を設けた室(調理室を除く。)で換気上有効な開口部を設けたもの

令第20条の3の第1項1号を見ると、外部から空気を取り入れ、廃ガスも直接外部に排出する構造、要するに室内の空気を汚染しないものを「密閉式燃焼器具等」と呼びましょう。そして「密閉式燃焼器具等」以外の火を使う設備などを設けてない室は法28条第3項が適用されない。つまり換気設備を設けなくていい。
→「密閉式燃焼器具等」以外の火を使う設備があるなら、決まった換気設備を設けなさい。

f:id:titioyahitoritabi:20200402081629p:plain

表にするとこんな感じです。ややこしい条文に書方せずにこんな表にしてくれればいいのですが。

 次に第2号を見ましょう。床面積100㎡以内の住宅は不要。住戸に設けられた調理室はその調理室の床面積の10分の1(最低0.8㎡)以上の有効開口面積を有する窓等を設けたものも不要。でも器具の発熱量は12キロワット以下ですよ。一緒に第3号も見ましょう。第3号では調理室以外の室です。そりゃーそーですよね。第2号で調理室は書かれていますもんね。でもここでも注意が必要です。第2号の調理室は住戸に設けられた調理室です。ですので事務所などの調理室はこの条文の対象外です(換気設備が必要です。)。調理室以外で発熱量が6キロワット以下かどうかで換気上有効な開口部を設けてるかどうかで変わってきます。

f:id:titioyahitoritabi:20200402083502p:plain

今回は第2号、第3号まとめて表にしました室の条件に換気上有効な開口部の有る無し、やその面積によって変わります。表でまとめるとわかりやすいです。もっと簡単に言うとこの令第20条の3第1項に該当する室は換気設備不要です。換気設備の政令で定める技術的助言や令第20条の3第2項についてはまた今度説明しようと思います。