建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

バリアフリー法。建築物移動等円滑化基準と建築物移動等円滑化誘導基準。

 建築基準法適合判定士試験の考察A問題で、No.16は消防、No.17はバリアフリー法からの出題が多いです。たまに省エネ法も混ざってきたりしますが、今日はそのバリアフリー法でちょっとややこしい基準が2つあるのでそれを見ていこうと思います。ややこしいと言っても名前が似ててややこしいだけです。題名にも載っていますが「建築物移動等円滑化基準」と「建築物移動等円滑化誘導基準」です。すごく似ている2つです。違いは誘導基準か基準か。この2つがあると前もって知っていれば、どっちの基準か見比べればいいだけです。

 

建築物移動等円滑化基準

まずはバリアフリー法第14条を見ましょう。

 建築主等は、特別特定建築物の政令で定める規模以上の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。以下この条において同じ。)をしようとするときは、当該特別特定建築物(次項にお いて「新築特別特定建築物」という。)を、移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の構造及び配置 に関する政令で定める基準(以下「建築物移動等円滑化基準」という。)に適合させなければならない。

となっています。要するに特別特定建築物のある一定以上の規模のものは「建築物移動等円滑化基準」に適合させなさいよという事。そしてその基準は施行令第11条から第23条までに定められています。

  • 令第11条・・・廊下等
  • 令第12条・・・階段
  • 令第13条・・・階段に代わり、又はこれに併設する傾斜路
  • 令第14条・・・便所
  • 令第15条・・・ホテル又は旅館の客室
  • 令第16条・・・敷地内の通路
  • 令第17条・・・駐車場
  • 令第18条・・・移動等円滑化経路
  • 令第19条・・・標識
  • 令第20条・・・室内設備
  • 令第21条・・・案内設備までの経路
  • 令第22条・・・増築等に関する適用範囲
  • 令第23条・・・条例で定める特定建築物の関する読替え

建築物移動等円滑化誘導基準

建築物移動等円滑化誘導基準は「高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき建築物特定施設の構造及び配置に関する基準を定める省令」(平成18年国土交通省令第114号)に定められています。

  • 省令第2条・・・出入口
  • 省令第3条・・・廊下等
  • 省令第4条・・・階段
  • 省令第5条・・・傾斜路又はエレベーターその他の昇降機の設置
  • 省令第6条・・・階段に代わり、又はこれに併設する傾斜路
  • 省令第7条・・・エレベーター
  • 省令第8条・・・特殊な構造又は使用形態のエレベーターその他の昇降機
  • 省令第9条・・・便所
  • 省令第10条・・・ホテル又は旅館の客室
  • 省令第11条・・・敷地内の通路
  • 省令第12条・・・駐車場
  • 省令第13条・・・浴室等
  • 省令第14条・・・標識
  • 省令第15条・・・室内設備
  • 省令第16条・・・案内設備までの経路
  • 省令第17条・・・増築等又は修繕等に関する適用範囲

これらが建築物移動等円滑化誘導基準となっています。そしてこの誘導基準って何に必要かと言うとバリアフリー法第17条特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定で定められています。それがこちら。

 建築主等は、特定建築物の建築、修繕又は模様替(修繕又は模様替にあっては、建築物特定施設に係るものに限る。以下「建築等」という。)をしようとするときは、主務省令で定めるところにより、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
2  前項の計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 特定建築物の位置
 二 特定建築物の延べ面積、構造方法及び用途並びに敷地面積
 三 計画に係る建築物特定施設の構造及び配置並びに維持保全に関する事項
 四 特定建築物の建築等の事業に関する資金計画
 五 その他主務省令で定める事項
3  所管行政庁は、第一項の申請があった場合において、当該申請に係る特定建築物の建築等及び維持保全の計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、認定をすることができる。
 一 前項第三号に掲げる事項が、建築物移動等円滑化基準を超え、かつ、高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき主務省令で定める建築物特定施設の構造及び配置に関する基準に適合すること。

認定をとる為に特定建築物の特定施設がこの建築物移動円滑化誘導基準に適合させなければならないと言う事です。

特別特定建築物と特定建築物

ここで先ほどの移動円滑化基準と移動円滑化誘導基準でアンダーラインを引いた特別特定建築物と特定建築物。こちらも似ててややこしいです。特別特定建築物は令第5条に定められています。

特別特定建築物
1 特別支援学校
2 病院又は診療所
3 劇場、観覧場、映画館又は演芸場
4 集会場又は公会堂
5 展示場
6 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
7 ホテル又は旅館
8 保健所、税務署その他不特定かつ多数の者が利用する官公署
9 老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの(主として高齢者、障害者等が利用 するものに限る。)
10 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
11   体育館(一般公共の用に供されるものに限る。)、水泳場(一般公共の用に供されるものに限る。)若しくはボーリング場又は遊技場
12 博物館、美術館又は図書館
13 公衆浴場
14 飲食店
15 郵 便局又は理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
16 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待 合いの用に供するもの
17 自動車の停留又は駐車のための施設(一般公共の用に供されるものに限る。)
18 公衆便所
19 公共用歩廊

特定建築物は令第4条に定められています。

特定建築物
1 学校
2 病院又は診療所
3 劇場、観覧場、映画館又は演芸場
4 集会場又は公会堂
5 展示場
6 卸売市場又は百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
7 ホテル又は旅館
8 事務所
9 共同住宅、寄宿舎又は下宿
10 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの
11 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
12 体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設又は遊技場
13 博物館、美術館又は図書館
14 公衆浴場
15 飲食店又はキャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類するもの
16 郵 便局又は理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
17 自動車教習所又は学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類するもの
18 工場
19 車 両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの
20 自動車の停留又は駐車のための施設
21 公衆便所
22 公共用歩廊

特別特定建築物も特定建築物も中身は似てますね。それもそのはず。特別特定建築物は特定建築物の中から不特定多数や高齢者や障害者が主として利用する建物で移動円滑化が特に必要とされる建築物です。

適合させなければならない基準の方が緩い

「建築物移動等円滑化基準」と「建築物移動等円滑化誘導基準」。「特別特定建築物」と「特定建築物」。似た言葉が2つづつ出てきました。これがややこしい原因ですね。特定建築物より特別特定建築物の方が規制が厳しそうなのは言葉からしてなんとなくわかります。実際バリアフリー法でも特別特定建築物で政令で定める規模以上の建築物は建築物移動等円滑化基準に適合させなければならないとなっています。この政令で定める規模というのは令第9条に定められています。

 法第14条第1項の政令で定める規模は、床面積(増築若しくは改築又は用途の変更の場合にあっては、当該増築若しくは改築又は用途の変更に係る部分の床面積)の合計2,000㎡(第5条第18号に掲げる公衆便所にあっては、50㎡)とする。

要するに、特別特定建築物で2,000㎡以上 の建築物は建築物移動等円滑化基準に適合させなさい。特別特定建築物は移動円滑が特に必要ですから。ここで勘違いしやすいのが、じゃー建築物移動等円滑化誘導基準は適合させなくてもいい基準だから緩いんかな?名前も誘導基準やし、特定建築物ってなってるし?って思いません?
 違います。建築物移動等円滑化誘導基準は認定取りたければ適合させなさいよとなってるだけで、認定が必要なければ適合させなくてもいいのです。
 認定とるからには厳しい基準をクリアしてね
という事です。建築物移動等円滑化基準<建築物移動等円滑化誘導基準とイメージしておけばいいと思います。

どのような選択肢が出てくるか

ややこしい言葉の説明が終わったので実際どのような選択肢として出てくるかを見てみましょう。

「建築物移動等円滑化基準」において、多数の者が利用する主たる階段は、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、回り階段とすることができる。

この選択肢なら○です。令第12条第6号に主たる階段について定められています。ただし書で上記のアンダーライン部分の場合はこの限りではないと定められています。
ですが、この問題が「建築物移動等円滑化誘導基準」となっていた場合はどうか。答えは×になります。なぜなら建築物移動等円滑化誘導基準の階段の基準に省令第4条第9号には

主たる階段は、回り階段でないこと
と定められています。先ほどと違いただし書がありません。回り階段はダメなんです。こういう移動等円滑化基準と移動等円滑化誘導基準の違いをついてくる問題が出てくるので覚えておきましょう。わざわざ違いを覚える必要はないと思います。この似たような言葉があることを頭に入れておけば、あとはその規定について法令集を調べていけばわかりますから。この似た言葉があると知らなければ間違った方を調べてる可能性が出てきます。