建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

日影規制の平均地盤面を覚えよう。建築基準法第56条の2。(建築基準法改正部分もあり。)

今回は日影規制の平均地盤面についてです。多分問題的には割と簡単な方だと思いますが、平均地盤面について書かれている場所がちょっとわかりにくいだけです。まずは第56条の2を見ていきましょう。

建築基準法第56条の2の中身

 別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域の全部又は一部で地方公共団体の条例で指定する区域(以下この条において「対象区域」という。)内にある同表(ろ)欄の当該各項(四の項にあつては、同項イ又はロのうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)に掲げる建築物は、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時まで(道の区域内にあつては、午前9時から午後3時まで)の間において、それぞれ、同表(は)欄の各項(四の項にあつては、同項イ又はロ)に掲げる平均地盤面からの高さ(二の項及び三の項にあつては、当該各項に掲げる平均地盤面からの高さのうちから地方公共団体が当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)の水平面(対象区域外の部分、高層住居誘導地区内の部分、都市再生特別地区内の部分及び当該建築物の敷地内の部分を除く。)に、敷地境界線からの水平距離が五メートルを超える範囲において、同表(に)欄の(一)、(二)又は(三)の号(同表の三の項にあつては、(一)又は(二)の号)のうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して条例で指定する号に掲げる時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合又は当該許可を受けた建築物を周囲の居住環境を害するおそれがないものとして政令で定める位置及び規模の範囲内において増築し、改築し、若しくは移転する場合においては、この限りでない
2 同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、前項の規定を適用する
3 建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第1項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
4 対象区域外にある高さが10メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第1項の規定を適用する。
5 建築物が第1項の規定による日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合又は建築物が、冬至日において、対象区域のうち当該建築物がある区域外の土地に日影を生じさせる場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

これが条文です。ここには平均地盤面の事は書かれていません。そして第1項の後半の政令で定める位置及び規模の範囲内において増築し、改築し、若しくは移転する場合においては、この限りでない。は平成30年の建築基準法改正に伴い改正された部分です。

 

従前の基準に該当しない場合建築審査会の同意が必要だった。

改正前の基準法では、特定行政庁が審査会の同意を得て許可したものは法第56条の2の規定は適用しないだけだたが、今回の改正で審査会の同意が必要なくなった部分が出てきました。今回の建築基準法の改正では手続きの簡素化も大きな目玉であります。これ以外にも審査会の同意が不要な規定ができたのは、建築基準法第43条第第2項第2号(以前は法43条ただし書きと言われていた条文が認定と許可に分かれました。)、建築基準法第48条許可(用途制限で給食センターや自動車修理工場など)があります。その辺はまた後日説明します。

日影規制の平均地盤について書かれているのは?

結局平均地盤面について書かれているのは別表第4の下の方にこ書かれています。

f:id:titioyahitoritabi:20200426184451p:plain

赤字で書いた部分です。下にその部分だけ抜き出しました。

 この表において、平均地盤面からの高さとは、当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さをいうものとする。 

別表第4の下に書いてあることが分かれば大丈夫です。 

日影規制の平均地盤についての問題

どのような問題の選択肢で出てくるかというと

日影規制とは、平均地盤面から一定の高さの水平面に生じる日影について規制するものであり、当該平均地盤面は、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。

これが正しいか間違ってるか。正解は間違いです。これは令第2条第2項で定められていう地盤面についてです。

 前項第二号、第六号又は第七号の「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。

この条文の第二号は建築面積について、六号は建築物の高さについて、七号は軒の高さについての地盤面です。ですので法第56条の2は含まれていません。日影規制は3m以内ごとの平均という概念はありません。覚えておきましょう。