建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

公益上必要な応急仮設建築物に採光必要かどうか。

平成28年の考査(A)の問題でこのような選択肢がありました。

 災害があった場合において建築する公益上必要な応急仮設建築物である学校の教室に、採光のための窓等はなくてもいいかという内容です。感覚的には応急仮設建築物なのでいいような感じがしてしましますが、そこがひっかけでしょう。

応急仮設建築物には採光は必要です。

早速、答えを述べますが、災害があった場合に建築する公益上必要な応急仮設建築物である学校の教室でも採光必要です。簡単に説明すれば法第85条第2項に応急仮設建築物に関する規定が定められていますが、その条文に適用除外となる条文の中に法第28条第1項は出てこないのです。詳しく見ていきましょう。

建築基準法第85条第2項の内容。

 災害があつた場合において建築する停車場、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物又は工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物については、第6条から第7条の6まで、第12条第1項から第4項まで、第15条、第18条(第25項を除く。)、第19条、第21条から第23条まで、第26条、第31条、第33条、第34条第2項、第35条、第36条(第19条、第21条、第26条、第31条、第33条、第34条第2項及び第35条に係る部分に限る。)、第37条、第39条及び第40条の規定並びに第3章の規定は、適用しない。ただし、防火地域又は準防火地域内にある延べ面積が50㎡を超えるものについては、第62条の規定の適用があるものとする。

上記が法第85条第2項の内容です。この災害があった時の応急仮設建築物の場合適用除外される規定を見ていきましょう。

  • 第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)から第7条の6(検査済証の交付を受けるまでの建築物の使用制限ま)で
  • 第12条第1項から第4項(報告、検査等)
  • 第15条(届出及び統計)
  • 第18条(第25項を除く。)(国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物に対する確認、検査又は是正措置に関する手続の特例)
  • 第19条(敷地の衛生及び安全)
  • 第21条(大規模の建築物の主要構造部等)
  • 第22条(屋根)
  • 第23条(外壁)
  • 第26条(防火壁等)
  • 第31条(便所)
  • 第33条(避雷設備)
  • 第34条第2項(非常用の昇降機)
  • 第35条(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)
  • 第36条(第19条、第21条、第26条、第31条、第33条、第34条第2項及び第35条に係る部分に限る。)(この章の規定を実施し、又は補足するため必要な技術的基準)
  • 第37条(建築材料の品質)
  • 第39条(災害危険区域)
  • 第40条(地方公共団体の条例による制限の附加)
  • 第3章の規定(都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途)(ただし、防火地域又は準防火地域内にある延べ面積が50㎡を超えるものについては、第62条の規定の適用)

これだけが適用除外される条文です。居室の採光及び換気は法第28条です。ですので、いくら災害時の応急仮設建築物であり、確認申請等が不要であっても、適用させなければならない条文があります。たまに勘違いされる人がいてますが確認申請不要=建築基準法に適合させなくていいのではありませんあくまでも確認申請が不要なだけで建築基準法には適合させなければなりません。

その他の仮設建築物の問題では期限に注意

 特定行政庁は、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する仮設建築物(次項及び第101条第1項第十号において「仮設興行場等」という。)について安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合においては、1年以内の期間(建築物の工事を施工するためその工事期間中当該従前の建築物に代えて必要となる仮設店舗その他の仮設建築物については、特定行政庁が当該工事の施工上必要と認める期間)を定めてその建築を許可することができる。この場合においては、第12条第1項から第4項まで、第21条から第27条まで、第31条、第34条第2項、第35条の2、第35条の3及び第37条の規定並びに第3章の規定は、適用しない。

上記は法第85条第5項の仮設建築物についてです。黄色のマーカーしてある原則1年以内の期間というのを覚えておきましょう。たまに選択肢で出てきます。原則1年もしくは工事期間中の代替えの場合は工事の施工上必要と認める期間です。ちなみに先ほどの応急仮設建築物は建築後3ヶ月を超えて建築物を存続させる場合許可が必要になります。この場合は2年以内です。

あと今度のオリンピックに合わせて改正された法第85条第6項も頭に入れておきましょう。国際的な規模の会議又は競技会などの用途の場合1年を超えて許可してもいいですよ。でも建築審査会の同意を得てね。という条文もできたので合わせてチェックしておきましょう。