建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

建築基準適合判定資格者検定考査(B)建築計画1の攻略法。(後編)

この記事では建築基準適合判定資格者検定試験の考査(B)建築計画1の後半の問題の攻略を載せています。前編をご覧になりたい方はこちら

 

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1階部分の軸組の構造(軸組の有効長さ)について

問題だけをみるとなんやこれと思うかもしれませんが、安心してください。簡単です。ざっくり説明すると
①地震力に対する軸組の必要長さを求める。
②風圧力に対する軸組の必要長さを求める。
③①と②を比べて大きい方の数値を張間方向と桁行方向それぞれに採用する。
④実際の軸組の有効長さを張間方向、桁行方向それぞれ計算する。
⑤軸組の必要長さより計画の軸組の有効長さの数値が大きいか比べる

こんな流れになります。関連法令は法20条第1項第四号と令第36条第3項、令第46条第4項です令第46条第4項の中身を見ていきましょう。

 階数が二以上又は延べ面積が50㎡を超える木造の建築物においては、第1項の規定によつて各階の張り間方向及びけた行方向に配置する壁を設け又は筋かいを入れた軸組を、それぞれの方向につき、次の表一の軸組の種類の欄に掲げる区分に応じて当該軸組の長さに同表の倍率の欄に掲げる数値を乗じて得た長さの合計が、その階の床面積(その階又は上の階の小屋裏、天井裏その他これらに類する部分に物置等を設ける場合にあつては、当該物置等の床面積及び高さに応じて国土交通大臣が定める面積をその階の床面積に加えた面積)に次の表二に掲げる数値(特定行政庁が第88条第2項の規定によつて指定した区域内における場合においては、表二に掲げる数値のそれぞれ1.5倍とした数値)を乗じて得た数値以上で、かつ、その階(その階より上の階がある場合においては、当該上の階を含む。)の見付面積(張り間方向又はけた行方向の鉛直投影面積をいう。以下同じ。)からその階の床面からの高さ1.35m以下の部分の見付面積を減じたものに次の表三に掲げる数値を乗じて得た数値以上となるように、国土交通大臣が定める基準に従つて設置しなければならない。

①地震力に対する軸組の必要長さの求め方

この中で表が何個か出てきますがまず地震力に対する軸組の必要長さを求めるには表2を使います。

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問題にもよりますが、基本的に建築計画1は2階建の1階なので赤字で書いた数値を採用します。29を採用する事が圧倒的に多いと思いますが、違いはというと屋根の種類によって変わってきます。令第43条第1項の表を見てみましょう。

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上記は令第43条第1項の表の左側部分だけです。これの(二)に該当する建築物の場合先ほどの29という数値を採用します。屋根の種別は問題で与えられます。基本的に金属板葺きとなってると思います。この数値を各階の床面積に乗じます。今回は1階なので1階の床面積です。

チェックポイント軸組の構造の判定に用いる1階の床面積は各階の床面積とは別に記載されている。

ここが一番重要ではないでしょうか。問題文に各階の床面積が記載されていますが、こちらの床面積ではなく、軸組の構造の判定用の面積が記載されていますのでその数値を探しましょう。両方同じ数字の場合もありますが、違う場合計算が変わってきます。せっかく簡単な問題が間違ってしまいますので、軸組の構造の判定用の面積を探しましょう。例えばこの面積が84㎡であれば84×29=2436cmとなります。

 

②風圧力に対する軸組の必要長さを求める。

次に風圧力に対する軸組の必要長さです。次は先ほどの令第46条第4項の表3が関係してきます。軸組の必要長さを求める為の見付面積(階の床面からの高さ1.35m以下の部分の見付面積を減じたもの)は問題文い与えられていますので、この面積に表3の数値を乗じればいいだけです。

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この場合もほぼ50を乗ずると思っておいていいでしょう。張間方向と桁行方向の軸組の必要長さを求める為の見付面積にそれぞれに50を乗じましょう。張間方向と桁行方向それぞれ求めるのですが、それぞれに対して2面見付面積が与えられています。

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例として上記のように見付面積が与えられたとします。張間方向は南側、北側両方同じ数字なので60×50=3000cmですが、桁行方向は東側と西側で数字が違います。この場合大きい方の数字を採用してください。なので桁行方向は45×50=2250cmとなります。

①と②を比べて大きい方の数値を張間方向と桁行方向それぞれに採用する。

さて地震に対してと風圧力に対しての軸組の必要長さが出ました。張間方向と桁行方向それぞれで比較します。

張間方向・・・2436cm<3000cm

桁行方向・・・2436cm>2250cm

なので張間方向は3000cm、桁行方向は2436cmが必要長さです。この時cmをmに変えておくと後が楽です。3000cm→30m、2436cm→24.36m。

④実際の軸組の有効長さを張間方向、桁行方向それぞれ計算する。

では実際の計画の軸組の有効長さを計算します。ここでの重要なポイントは計算間違いと見落としをしない事。これにつきます。軸組みの計算に使う壁と倍率と長さを間違えずに拾い忘れの無いようにして下さい。数字的には簡単な数字なので難しくはないので、焦らずゆっくりとチェックしましょう。倍率については令第46条第4項の表1にのっています。問題の図面の凡例と見比べて間違えないようにしましょう。

⑤軸組の必要長さより計画の軸組の有効長さの数値が大きいか比べる

あとは簡単です。軸組の必要長さより計画の軸組の有効長さの数値が大きければ適合です。

ホルムアルデヒドに関する有効換気量

計画1の最後の問題はこの換気量の計算になります。関連法令は法第28条の2三号と令第20条の8第1項第一号です。ここで注意する事といえば兼用住宅の場合必要換気量の計算が住宅部分と店舗部分で変わってくる事ぐらいでしょうか。それぞれの部屋の気積は問題文に記載されています。住宅の部分には気積に0.5を乗じた数字が必要換気量。店舗部分は気積に0.3を乗じた数字が必要換気量になります。このそれぞれの必要換気量より有効換気量の方が多ければ適合している事になります。有効換気量も問題文に与えられていますので、難しくないです。