建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

建築基準適合判定資格者検定考査(B)建築計画3の攻略法。(後編)

この記事では建築基準適合判定資格者検定考査(B)建築計画3の後半の攻略についてまとめています。考査(B)建築計画3の前半については下記の記事をご覧ください。

 

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考査(B)建築計画3の設問2は2パターン?

H28,30年の考査(B)建築計画3の設問2は構造計算の数値に係る適切 ・不適切の審査(昭55建告第1791号第3第1号イによる壁量等に係る数値)と(昭55建告第1791号第3第1号イによる壁量等)に関する判定に対してH29,R1年は構造計算の数値に係る適切 ・不適切の審査(剛性率Rsの数値)、「剛性率」に関する判定、「偏心率」に関する判定となっています。

 

昭55建告第1791号第3第1号イによる壁量等に係る数値の問題攻略

まずは昭55建告第1791号第3第1号イによる壁量等に係る数値の解き方についてです。

 第三 鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物等に関する基準
鉄筋コンクリート造の建築物若しくは鉄筋コンクリート造とその他の構造とを併用す る建築物又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造とその 他の構造とを併用する建築物については、次の各号に定める構造計算のうちいずれかを行うこと。ただし、第一号ハ及び第二号ロ(第一号ロの規定の適用に係る部分を除く。)の規定以外の規定にあっては、実験によって耐力壁並びに構造耐力上主要な部分である柱及びはりが地震に対して十分な強度を有し、又は十分な靱性をもつことが確かめられる場合においては、この限りでない。
一 次のイからハまでに掲げる基準に適合することを確かめること。
 イ 各階の鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の耐力壁(平成19年国 土交通省告示第594号第一第三号イ(1)に規定する開口周比が0.4以下で あるものに限る。以下同じ。)、構造耐力上主要な部分である柱及び耐力壁以外の 壁(上端及び下端が構造耐力上主要な部分に緊結されたものに限る。)の水平断面 積が次の式に適合すること。ただし、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱にあつては、同式中「」とあるのは「1.0」とする。
  Σ2.5αAw+Σ0.7αAc≧0.75ZWAi
(この式において、α、Aw、Ac、Z、W及びAiは、それぞれ次の数値を表すも のとする。
 α コンクリートの設計基準強度による割り増し係数として、設計基準強度が1㎟につき18N/㎟未満の場合にあつては1.0、1㎟につき18N/㎟以上の場合にあつては使用するコンクリー トの設計基準強度(単位 N/㎟)を18で除 した数値の平方根の数値(当該数値が2の平方根の数値を超えるときは、2の平方根の数値)
 Aw 当該階の耐力壁のうち計算しようとする方向に設けたものの水平断面積(単 位 ㎟)
 Ac当該階の構造耐力上主要な部分である柱の水平断面積及び耐力壁以外の壁 (上端及び下端が構造耐力上主要な部分に緊結されたものに限る。)のうち計算しようとする方向に設けたものの水平断面積(単位 ㎟)
 Z 令第88条第1項に規定するZの数値
 W 令第88条第1項の規定により地震力を計算する場合における当該階が支える部分の固定荷重と積載荷重との和(令第86条第2項ただし書の規定により特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるものと する。)(単位 N)
 Ai 令第88条第1項に規定する当該階に係るAiの数値

上記が告示です。下記に国交省の告示のURLを載せておきます。

建築物の地震に対する安全性を確かめるために必要な構造計算の基準を定める件

内容はわかりずらいですが、覚えるのは黄色のマーカーした式とそれぞれの文字の意味です。少しややこしいのはαの求め方でしょう。問題としてはまずΣ2.5αAw+Σ0.7αAc0.75ZWAiの数値が正しいかどうかを問われます。そして次の問題でΣ2.5αAw+Σ0.7αAc≧0.75ZWAiが成り立ってるかどうかを問われます。なので後半の問題はその前にそれぞれの数値が出ているのですぐ解けます。基本的にこの式の計算のα以外は計画の概要、それまでの問題、構造計算表によって与えられています。αが少しややこしいです。コンクリートの設計基準強度が18N/㎟以上の場合はコンクリートの設計基準強度を18で割った数値の平方根です。つまり◯/18の出てきた答えの平方根です。問題用紙に1から25ぐらいまでの平方根が記載されています。解き方としてコンクリートの設計基準強度及び18Nそれぞれの平方根どうしを割れば良いです。例えばコンクリートの設計基準強度が21なら、21の平方根の数値を表から探します。同じように18の平方根の数値を探します。

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上記の表が与えられてますので、この表で21の平方根の数値である4.58258と18の平方根である4.24264を割ります4.58258/4.24264=1.08012...です。この数値がαです。

「剛性率Rsの数値」、「剛性率」に関する判定、「偏心率」

剛性率Rs

剛性率Rsの計算では令第82条の6第二号イに規定されています。

第81条第2項第二号イに規定する許容応力度等計算とは、次に定めるところによりする構造計算をいう。
一 第82条各号、第82条の2及び第82条の4に定めるところによること。
二 建築物の地上部分について、次に適合することを確かめること。
イ 次の式によつて計算した各階の剛性率が、それぞれ6/10以上であること。
Rs=rs/ṝs
この式において、Rs、rs及びṝsは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Rs 各階の剛性率
rs 各階の層間変形角の逆数
ṝs 当該建築物についてのrsの相加平均

(パソコンの表示の関係上ṝと表示されますがr下のコンマは本来ないです。ごめんなさい)

rsの各階の層間変形角の逆数は与えられている値が層間変形角の場合逆数にする事を忘れないでください。逆数が与えられてたらそのまま使います。そしてrsの相加平均とは各階のrsを足して、その階数で割れば相加平均が出てきます。このRsの数値が正しいかどうか。そして次の問題で剛性率の判定がどうか。前述で出てきた剛性率が0.6以上であれば適合です。

 

偏心率

偏心率ですが令第82条の6第二号ロに規定されています。

次の式によつて計算した各階の偏心率が、それぞれ15/100を超えないこと。
Re=e/re
(この式において、Re、e及びreは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Re 各階の偏心率
e 各階の構造耐力上主要な部分が支える固定荷重及び積載荷重(第86条第2項ただし書の規定により特定行政庁が指定する多雪区域にあつては、固定荷重、積載荷重及び積雪荷重)の重心と当該各階の剛心をそれぞれ同一水平面に投影させて結ぶ線を計算しようとする方向と直交する平面に投影させた線の長さ(単位 cm)
re 国土交通大臣が定める方法により算出した各階の剛心周りのねじり剛性の数値を当該各階の計算しようとする方向の水平剛性の数値で除した数値の平方根(単位 cm))

この問題の時はeもreも両方とも数値は与えられていると思いますので計算してその答え(各階の偏心率)が0.15を超えないかどうかを見るだけです。

考査(B)建築計画3の設問2の攻略まとめ

どうでした?構造と聞くと耳を塞ぎたくなりますが、問題がパターン化されて答えも簡単に導き出せます。考査(B)の中では点の取りやすい問題ですので、しっかり勉強して満点目指しましょう。そして考査(B)でこの建築計画3を最初に解いて勢いをつけるのもオススメです。くれぐれも計算間違いしないように落ち着いて問題を解きましょう。ちなみに私は考査(B)建築計画で重要な条文にはクリアの付箋(端が緑色)を貼っています。昭55建告第1791号第3第1号イ令第82条の6第二号ロあと前編で出てくる昭55建告1793号第二令第88条第1項です。付箋ですぐそのページがめくれるようにしておくのも大事です。参考までに。