建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

建築基準適合判定資格者検定考査(B)建築計画3の攻略法。(前編)

 この記事は建築基準適合判定資格者検定考査(B)の問題の中でも比較的点の取りやすい建築計画3(構造審査)の問題の攻略法について記載しています。後編については

 

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建築計画3はパターン化されているので構造審査でも簡単

まず構造審査と聞くと苦手意識の人も多いと思いますが、先に結論を言うと建築基準適合判定資格者検定の試験問題考査(B)の中で一番簡単で点の取りやすい問題です。ですので考査(B)の問題を解く時はは建築計画3を一番最初に取りかかる事をお勧めします。はっきり言って計算の数字が変わるだけで、毎年同じ問題が多く出ています。それでなどのような問題かを見ていきましょう。

建築計画3(設問1)の出題項目。

大きく分けて設問1と設問2に分かれますが、問題の建築物は同じで聞かれる問題が違うだけです。そのうち設問1は令第88条の規定に基づく地震力の計算に係る審査が審査項目です。審査の内容としては

  • 設計用一次固有周期Tの適切・不適切の審査
  • Rtの適切・不適切の審査
  • 地震力Qiの適切・不適切の審査

ここ5年はほぼ同じで平成26年度当該高さが支える部分の荷重ΣWiの適切・不適切の審査が審査の内容に含まれていました。

 

設計用一次固有周期Tの適切・不適切の審査の攻略法。

もーこれは構造が苦手でわけわからなくても暗記すればいいぐらいの内容です。数値を実際の問題に当てはめるだけで、回答は暗記しましょう。設計用一次固有周期Tというのは昭55建告1793号第二に規定されてます。そもそも昭55建告1793号第二はRtを算出する方法が規定されています。これは次でやるRtの適切・不適切の審査にも関わってきます。構造審査に関しては、設問が一連の流れとなっていますので、一つ間違えるとその後の計算にも響きます。ですので内容的には簡単でも、計算は慎重に行ってください。昭55建告1793号第二の中に

T=h(0.02+0.01α)
h:当該建築物の高さ(単位 m)
α:当該建築物のうち柱及びはりの大部分が木造又は鉄骨造である階(地階を除く。)の高さの合計のhに対する比

この一番上の式を頭に叩き込みましょう。hは設問で与えられています。αはRC造なら0、S造なら1と覚えておきましょう。ですので設計用固有周期TはRC造ならT=0.02h(秒)、S造ならT=0.03h(秒)と覚えておいてもいいです。簡単に設計用一次固有周期Tが求められます。

振動特性係数Rtの適切・不適切審査の攻略法。

先程求めた設計用一次固有周期Tを使って振動特性係数Rtの問題を解いていく事になります。ここでも昭55建告1793号第二が重要になってきます。設計用一次固有周期Tの数値によって式がかわってきます。Rtは、TとTcによって求められる。計画の概要より地盤の種別を確認。
ちなみにTcは建築物の基礎の底ぶの直下の地盤の種別に応じて、次に掲げる数値(単位 s)
第一種地盤・・・Tc=0.4
第二種地盤・・・Tc=0.6
第三種地盤・・・Tc=0.8
よく問題で出るのは第二種地盤が多いようです。そしてRtの求め方は

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 上記の表に当てはめて求めます。

 

地震力Qiの適切・不適切審査の攻略法

地震力Qiは令第88条第1項の規定に定めらています。

 建築物の地上部分の地震力については、当該建築物の各部分の高さに応じ、当該高さの部分が支える部分に作用する全体の地震力として計算するものとし、その数値は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和(第86条第2項ただし書の規定により特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるものとする。)に当該高さにおける地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならない。この場合において、地震層せん断力係数は、次の式によつて計算するものとする。Ci=ZRtAiCo
(この式において、Ci、Z、Rt、Ai及びCoは、それぞれ次の数値を表すものとする
Ci 建築物の地上部分の一定の高さにおける地震層せん断力係数
Z その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値
Rt 建築物の振動特性を表すものとして、建築物の弾性域における固有周期及び地盤の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Ai 建築物の振動特性に応じて地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表すものとして国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Co 標準せん断力係数)

少し条文ではわかりにくいですが、地震力Qiは当該高さの部分が支える固定荷重と積載荷重との和(ΣWi)に地震層せん断力係数Ciを乗じた値となる。

Qi=ΣWi×Ciとなります。Ciを上の式に置き換えるとQi=ΣWi×ZRtAiCoで表せます。Wiは設問で与えられています。ΣWiはその階と上部の階のWiを加算すればいいのです。5階建なら5階のWi、4階なら5階のWi+4階のWi、3階なら5階の5階のWi+4階のWi+3階のWiという感じです。各階のΣWiが求めれたらそれぞれに各界のZRtAiCoに数字を当てはめて計算します。そして各階のQiが適切か判断します。

考査(B)建築計画3が簡単な理由。

考査(B)建築計画3が簡単な理由はほぼ同じパターンの問題が出されます。なので数値が変わるだけで基本的に解き方は同じです。そしてもう一つ簡単な理由は、建築計画3の解答はかなり文字数を省略して答える事が可能なのです。考査(B)について正式な解答というのは公表されていませんが、考査(B)の解答例をそのまま写していれば時間が足りません。なので考査(B)では解答例を省略できるとこは省略して時間内に解答できるようにしなければなりません。その中でも建築計画3はかなり省略して短い文の解答で済みます。また今度省略解答例を記事にしますのでそちらも参考にしてください。

ちなみに私は考査(B)建築計画で重要な条文にはクリアの付箋(端が緑色)を貼っています。昭55建告1793号第二令第88条第1項と後編で出てくる昭55建告第1791号第3第1号イ令第82条の6第二号ロです。付箋ですぐそのページがめくれるようにしておくのも大事です。参考までに。