建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

位置の指定を受けて築造する道路。建築基準法第42条第1項第五号。

建築基準適合判定資格者検定の考査(A)のNo.10の問題は都市計画区域内の道路についての問題が多い傾向です。考査(A)の傾向についてはこちらをご覧ください。

 

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 都市計画区域内の道路については建築基準法第42条で定められています。

 

建築基準法上の道路について

まず都市計画区域内で建築物を建築する場合、建築基準法上の道路に敷地が2m以上接してなければなりません。いわゆる接道義務です。この接道義務については法第43条第1項に規定されています。じゃー建築基準法条の道路ってなに?というと法第42条に定められています。

 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員4m(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、6m。次項及び第3項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
一 道路法(昭和27年法律第180号)による道路
二 都市計画法、土地区画整理法(昭和29年法律第119号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和39年法律第160号)、都市再開発法(昭和44年法律第38号)、新都市基盤整備法(昭和47年法律第86号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和50年法律第67号)又は密集市街地整備法(第6章に限る。以下この項において同じ。)による道路
三 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
四 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
2 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離2m(同項の規定により指定された区域内においては、3m(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、2m)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離2m未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離4mの線をその道路の境界線とみなす。

上記は法第42条第1項と第2項の条文です。第3項から第6項まであるのですが、今回は基本となる第1項と第2項だけにしておきます。簡単に箇条書きすると

4m以上の道路

  • 法第42条第1項第一号・・・道路法による道路
  • 法第42条第1項第二号・・・開発等による道路
  • 法第42条第1項第三号・・・昔から存在する道路
  • 法第42条第1項第四号・・・2年以内に事業が執行される予定道路
  • 法第42条第1項第五号・・・位置の指定を受けた道路

4m未満の道路

  • 法第42条第2項・・・昔から存在する道路で建築物が立ち並んでいた道路

超ざっくりですが、このように分類できます。この中でよく選択肢で出される法第42条第1項第五号の規定について見ていきましょう。

 

建築基準法第42条第1項第五号の政令で定める基準とは?

法第42条第1項第五号の条文の中に出てくる政令で定める基準とは令第144条の4に定められています。

 法第42条第1項第五号の規定により政令で定める基準は、次の各号に掲げるものとする。
一 両端が他の道路に接続したものであること。ただし、次のイからホまでのいずれかに該当する場合においては、袋路状道路(法第43条第3項第五号に規定する袋路状道路をいう。以下この条において同じ。)とすることができる。
イ 延長(既存の幅員6m未満の袋路状道路に接続する道にあつては、当該袋路状道路が他の道路に接続するまでの部分の延長を含む。ハにおいて同じ。)が35m以下の場合
ロ 終端が公園、広場その他これらに類するもので自動車の転回に支障がないものに接続している場合
ハ 延長が35mを超える場合で、終端及び区間35m以内ごとに国土交通大臣の定める基準に適合する自動車の転回広場が設けられている場合
ニ 幅員が6m以上の場合ホ イからニまでに準ずる場合で、特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認めた場合二 道が同一平面で交差し、若しくは接続し、又は屈曲する箇所(交差、接続又は屈曲により生ずる内角が120°以上の場合を除く。)は、角地の隅角を挟む辺の長さ2mの二等辺三角形の部分を道に含む隅切りを設けたものであること。ただし、特定行政庁が周囲の状況によりやむを得ないと認め、又はその必要がないと認めた場合においては、この限りでない。
三 砂利敷その他ぬかるみとならない構造であること。
四 縦断勾配が12%以下であり、かつ、階段状でないものであること。ただし、特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認めた場合においては、この限りでない。
五 道及びこれに接する敷地内の排水に必要な側溝、街渠その他の施設を設けたものであること。
2 地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認める場合においては、条例で、区域を限り、前項各号に掲げる基準と異なる基準を定めることができる。
3 地方公共団体は、前項の規定により第1項各号に掲げる基準を緩和する場合においては、あらかじめ、国土交通大臣の承認を得なければならない。

上記は令第144条の4の条文です。よく問題に出されるのは転回広場の問題と縦断勾配についてだと思います。転回広場が必要な場合は

  • 道路幅員が6m未満
  • 延長が35m以上
  • 両端が他の道路に接続していない(袋路状であること。)

この3つの条件が揃った場合です。どれかが欠けていると転回広場は必要なくなります。例えば6m以上の幅員なら延長がどれだけあっても転回広場は必要ないです。(実務では開発行為に該当し、開発による道路の規定に合わせなければなりませんが。)

縦断勾配については12%以下と数値を覚えておけば十分です。ちなみに雑学ですが、12%以下の勾配と言えば、15%とか大きい数字になれば適合しないという事です。%表示なのでややこしいですよね。100m進むと何m登ったり下ったりするかと考えれば良いようです。12%なら100m進めば12m登る(下る)と考えるようです。