建築基準適合判定資格者検定合格への勉強法

建築基準適合判定資格者の試験を2度落ちて、今回3度目。3度目の正直となるように、勉強のモチベーション確保と頭の整理も兼ねてブログ内で整理します。主にややこしい問題や間違えやすい問題を重点的にまとめています。建築基準適合判定士だけでなく1級建築士の法規の試験にも役立つかも。このブログで書いてある事は、あくまでも建築基準適合判定士試験に向けての内容であり、実務での取扱い等は管轄の特定行政庁や指定検査機関に問合せてください。また、記事内容は最新の情報ではありません。

令和2年建築基準適合判定資格者検定考査(A)解説後半

前半に引き続き建築基準適合判定資格者検定考査(A)の後半の解説をしていきたいと思います。前半については下記をご覧ください。

 

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No.9は5のエスカレーターの制動装置の構造について

建築設備に関する問題でエスカレーターについての選択肢が間違いでした。施行令第129条の12第5項に規定されている箇所です。

 前項の制動装置の構造は、動力が切れた場合、駆動装置に故障が生じた場合、人又は物が挟まれた場合その他の人が危害を受け又は物が損傷するおそれがある場合に自動的に作動し、踏段に生ずる進行方向の加速度が一・二五メートル毎秒毎秒を超えることなく安全に踏段を制止させることができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

今回の試験の選択肢ではラインの引いた加速度の数値が1.5になっていたので間違いでした。

 

No.10は5の法第43条第2項第1号の認定について

去年ぐらいに法改正があった規定ですよね。以前は43条ただし書きと言われてた規定が、認定と許可に分かれて、認定に関しては建築審査会の同意が不要になりました。そして認定ができる範囲は国土交通省令で定められています。規則10条の3です。4m以上の農道で一戸建て住宅で200㎡以内であれば同意が不要です。

No.11は1の第一種中高層住居専用地域の用途制限について

選択肢1の第一種中高層住居専用地域では警察署は可能ですが、5階以上にこの用途ではダメです。

法別表第二(は)項第七号(法第八十七条第二項又は第三項において法第四十八条第三項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める建築物は、次に掲げるものとする。
 一 税務署、警察署、保健所、消防署その他これらに類するもの(法別表第二(い)項第九号に掲げるもの及び五階以上の部分をこれらの用途に供するものを除く。)

上記は施行令第130条の5の4です。

No.12は3の第一種低層住居専用地域内における北側高さ制限の緩和について

 法第五十六条第六項の規定による同条第一項及び第五項の規定の適用の緩和に関する措置で同条第一項第三号に係るものは、次に定めるところによる。
一 北側の前面道路の反対側に水面、線路敷その他これらに類するものがある場合又は建築物の敷地が北側で水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合においては、当該前面道路の反対側の境界線又は当該水面、線路敷その他これらに類するものに接する隣地境界線は、当該水面、線路敷その他これらに類するものの幅の二分の一だけ外側にあるものとみなす。

上記は令第135条の4第1号です。北側高さ制限の緩和ですが、北側に水面、線路敷は書かれていますが、公園は書かれていませんので緩和適用除外です。隣地高さ制限の場合は公園も緩和の対象です。

No.13は5の容積率の前面道路による制限について

選択肢は40/10の第一種住居地域で幅員15mの道路に接続する幅員6mの道路を前面道路とした敷地で、15m道路から敷地までの距離が35mの時容積率の限度は40/10である。ですが令第135条の18の規定では前面道路の幅員に加算するが定めています。

 第五十二条第九項の政令で定める数値は、次の式によつて計算したものとする。Wa=(12-Wr)(70-L)/70(この式において、Wa、Wr及びLは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Wa 法第五十二条第九項の政令で定める数値(単位 メートル)
Wr 前面道路の幅員(単位 メートル)
L 法第五十二条第九項の特定道路からその建築物の敷地が接する前面道路の部分の直近の端までの延長(単位 メートル))

これで計算すると3という数値になりこの数値を前面道路の幅員に加算できます。6mの幅員だったので6+3=9になります。9mの幅員なので前面道路による容積率の制限で9×4/10=36/10となり40/10より少ないので容積率は36/10となります。

No.14は5の準防火地域内の建築物の構造について

選択肢では準防火地域内の延べ面積200㎡、地上2階、高さ8mの診療所です。耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。と記載されていますが、耐火・準耐火建築物の問題でまずみなければならない条文は法第27条か法第61条ですが、今回に限っては法第27条は無視して構いません。何故なら診療所に収容施設があるかないかの記載がないからです。法第27条が絡むなら収容施設のあるなしが重要なのに記載ないということは単純に防火・準防火地域の耐火・準耐火建築物にしなければならない規定だけ見れば良いです。準防火地域でこの問題の規模なら耐火・準耐火建築物にしなくても大丈夫ですよね。

 

No.15は4の特定行政庁の保安上危険な建築物について

選択肢の4は私も試験で条文と照らし合わせてみたつもりだったのですが、たったの一言を見落としていました。

 特定行政庁は、建築物の敷地、構造又は建築設備(いずれも第三条第二項の規定により次章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)について、損傷、腐食その他の劣化が生じ、そのまま放置すれば保安上危険となり、又は衛生上有害となるおそれがあると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、修繕、防腐措置その他当該建築物又はその敷地の維持保全に関し必要な指導及び助言をすることができる。

上記は法第9条の4の規定です。選択肢もこのまま出されてましたが、唯一違ったのは指導、助言及び指示と条文にはない指示という文字が追加されていました。完全に見落としてました。条文と照らし合わせる時は細部までみましょう

No.16は2の自動火災報知設備の緩和について

7 前各号に掲げる防火対象物以外の別表第一に掲げる防火対象物のうち、同表(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が避難階以外の階に存する防火対象物で、当該避難階以外の階から避難階又は地上に直通する階段が二(当該階段が屋外に設けられ、又は総務省令で定める避難上有効な構造を有する場合にあつては、一)以上設けられていないもの

上記は消防法施行令第21条第1項第7号です。この規定が適用されるので自動火災報知設備は不要です。この問題も屋内か屋外によって必要な階段の数が変わりますので要注意です。

No.17は5のバリアフリー法について

法改正のあったホテル等の客室の問題が出てくるかなと予想していたのですが、実際は出てきたのですが正しい記述だったので、答えは違う選択肢になりました。答えは5の特定建築物の建築等をする時は建築等及び維持保全の計画を作成し認定を受けなければならない。 

 建築主等は、特定建築物の建築、修繕又は模様替(修繕又は模様替にあっては、建築物特定施設に係るものに限る。以下「建築等」という。)をしようとするときは、主務省令で定めるところにより、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる

上記は高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第17条第1項です。ラインのとこを見てください。認定の申請をすることができるなので、しなくてもいいのです。

令和2年建築基準適合判定資格者検定まとめ

考査(A)は標準的な問題だったように思います。勘違いとか見落としで結局3問間違いました。考査(B)は結構時間がかかって時間が足りませんでした。ので私的には合格ラインは上下しないのではないかと予想(期待)しています。みなさんもお疲れ様でした。