以前に法第48条の規定の問題の解き方については以前記事にしました。
この時は主に第二種中高層住居専用地域についての話をしました。今回は附属する自動車車庫の規定について考えていこうと思います。
第一種低層住居専用地域の附属自動車車庫も要チェック。
以前にこのような選択肢がありました。特定行政庁の許可がないと建築することができないものはどれかという問題で、第一種低層住居専用地域で1階が建築物に附属する自動車車庫(床面積200㎡)2階が住宅で食堂の用途を兼ねるもの(居住の用に供する部分の床面積120㎡、食堂部分の床面積50㎡)。これわかりますか?答えは許可必要なんです。法48条といえば別表第2そして第一種低層住居専用地域は(い)ですよね。見ていきましょう。
第一種低層住居専用地域の問題は店舗との兼用住宅について問われる事も多いですが、何気にこの附属自動車車庫もチェックしておかないと問題が出た時にややこしくなります。別表第2(い)第十号の項目に附属するものが定められています。この中に附属自動車車庫も入っていますので見ていきましょう。
建築基準法施行令第130条の5の内容
別表第2(い)第十号の政令というのは建築基準施行令第130条の5の事です。
法別表第2(い)項第十号、(ろ)項第三号及び(ち)項第六号(法第87条第2項又は第3項において法第48条第1項、第2項及び第8項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める建築物は、次に掲げるものとする。
一 自動車車庫で当該自動車車庫の床面積の合計に同一敷地内にある建築物に附属する自動車車庫の用途に供する工作物の築造面積(当該築造面積が50㎡以下である場合には、その値を減じた値)を加えた値が600㎡(同一敷地内にある建築物(自動車車庫の用途に供する部分を除く。)の延べ面積の合計が600㎡以下の場合においては、当該延べ面積の合計)を超えるもの(次号に掲げるものを除く。)
二 公告対象区域内の建築物に附属する自動車車庫で次のイ又はロのいずれかに該当するものイ 自動車車庫の床面積の合計に同一敷地内にある建築物に附属する自動車車庫の用途に供する工作物の築造面積を加えた値が2,000㎡を超えるものロ 自動車車庫の床面積の合計に同一公告対象区域内にある建築物に附属する他の自動車車庫の床面積の合計及び当該公告対象区域内にある建築物に附属する自動車車庫の用途に供する工作物の築造面積を加えた値が、当該公告対象区域内の敷地ごとに前号の規定により算定される自動車車庫の床面積の合計の上限の値を合算した値を超えるもの
三 自動車車庫で2階以上の部分にあるもの
四 床面積の合計が15㎡を超える畜舎五 法別表第2(と)項第四号に掲げるもの
この条文の中で恐らく問題として出てくるのは第一号ではないでしょうか。第二号の広告対象区域内というのは一団地認定の法第86条の事なので問題には出てこないでしょう。第三号は簡単なので2階以上の車庫はダメと頭に入れておきましょう。そして問題は第一号です。条文がややこしいですが、黄色のマーカー部分を注意しましょう。要するに自動車車庫以外の延べ床面積を超えるものは許可が必要という事です。
もう一度先程の問題でみましょう。
1階:建築物に附属する自動車車庫(床面積200㎡)
2階:住宅で食堂の用途を兼ねるもの(居住の用に供する部分の床面積120㎡、食堂部分の床面積50㎡)
自動車車庫を除いた面積は120+50=170㎡。170<200。自動車車庫の面積のほうが大きいので許可がないと建築できない。
建築基準法第48条の許可。自動車車庫のまとめ。
今回は第一種低層住居専用地域の附属する自動車車庫について説明しました。条文は分かりずらいですが、内容的には簡単ですよね。自動車車庫以外の延べ床面積を超えるものは自動車車庫はだめ。特定行政庁の許可が必要ですよ。こう覚えておけば問題は解けると思いますが、ここでもしかすると、兼用住宅の要素も含めたひっかけ問題が出るかもしれません。自動車車庫の問題と見せかけて兼用住宅の方で許可が必要になるという意地悪な問題も出てくるかもしれませんので、自動車車庫が出てきても兼用住宅を頭に入れて問題を解きましょう。それでは今日はこれで。